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新型コロナウイルス感染症について
2022年8月5日
【はじめに】
- 主に発熱、かぜ様症状、肺炎を引き起こします。下痢などの消化器症状や、味覚・嗅覚異常(味やにおいの異常)を来すこともあります。
- ワクチンに加えて、感染後に重症化予防効果のある内服薬および点滴薬が使用可能です。
- 次からの項目で詳しく見ていきましょう。
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【新型コロナウイルスについて】
新型コロナウイルスの
電子顕微鏡写真模式図
感染初期
ウイルス表面のスパイクタンパクを用いて、ヒトの細胞にあるACE2と呼ばれる受容体にくっついて、ヒトの細胞の中に侵入して感染を引き起こします。
項目:コロナウイルスに対する免疫反応について
- ①免疫細胞により中和抗体がつくられます。
- ②中和抗体がスパイクタンパクに結合して、ヒト細胞のACE2との結合を阻害します。
- ③ウイルスがヒト細胞内に侵入できなくなります。
【新型コロナウイルス感染の経過について】
・ウイルスに曝露されてから5日ほどで発症します(潜伏期約5日)。
※オミクロン株では潜伏期が約2.9日へ短縮。・中和抗体がつくられ、ウイルスが体内 へ侵入できなくなり、ウイルス量が減少して治癒に向かいます。
- 多くの方は発症から一週間程度で治癒に向かいます。
- 一部の方では重症化して時に致命的となります。特に重症化リスク因子がある場合には注意が必要です。
【重症化リスク因子】
- 65歳以上
- 悪性腫瘍
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質代謝異常(高脂血症)
- 肥満(BMI30以上)
- 喫煙
- 臓器移植後の免疫低下
- 妊娠後半期
項目:新型コロナウイルス感染の症状について
【重症度と治療法について】
96%以上酸素投与不要
肺炎無し94~95%呼吸困難
肺炎93%以下酸素必要
人工呼吸器
集中治療室
ゼビュディ
ベクルリー
ラゲブリオ
パキロビッドゼビュディ
ベクルリー
ラゲブリオ
パキロビッド
【重症化リスク因子】
- 65歳以上
- 悪性腫瘍
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質代謝異常(高脂血症)
- 肥満(BMI30以上)
- 喫煙
- 臓器移植後の免疫低下
- 妊娠後半期
項目:治療薬について
- 点滴薬であるベクルリー、内服薬であるパキロビッド、ラゲブリオは当クリニックで処方可能です。
※どの薬剤を使用するかについては、持病で飲んでおられるお薬や新型コロナウイルス感染症の状況に応じてご相談の上で決定します。
- ゼビュディは抗体薬と呼ばれる点滴薬であり、近隣の投与可能な病院への紹介をいたします。
※ゼビュディはオミクロン株への効果は限定的であり、上述の薬剤が使用不可能な場合のみ推奨されています。
【検査について】
検査の種類 | 抗原検査 | PCR検査 |
---|---|---|
メリット | 院内で15分で結果が分かる | 少ないウイルス量でも検出可能 |
デメリット | 少ないウイルス量を検知できない | 当日検査結果が分からない (翌日朝判明) |
項目:抗原検査の工夫について
・ 当クリニックではFUJIFILM社製の迅速抗原検査機械を導入しています。
・ FUJIFILM社の写真現像技術の応用で、検出能力が約100倍増幅しています。
→ 上記により抗原検査の弱点を補っています。
FUJIFILM社製の迅速抗原検査機械
参考文献:FUJIFILM社ホームページ https://www.fujifilm.com/jp/ja/healthcare/ivd/immuno/ag2
項目:当クリニックにおける検査の使い分けの一例
・発熱などの症状が強く、発症からある程度時間が経過している。
・重症化リスク因子があり早く診断することで、重症化抑制のための内服薬や点滴薬の投与を行いたい。
クリニック内での迅速抗原検査(陰性の場合は必要に応じてPCR検査追加)
・症状が軽微で新型コロナ感染かどうか確認したい。
・厚接触者の感染の有無の確認や、濃厚接触者の接触者で軽微な症状があり感染の有無を確認したい。
外注検査機関でのPCR検査
【新型コロナワクチンについて】
・ヒト細胞への感染に重要なスパイクタンパク質の設計図であるメッセンジャーRNAを接種します。
・体内でスパイクタンパク質に対する抗体の産生を促します。
・抗体がスパイクタンパク質に結合します。
・ヒト細胞のACE2受容体に結合できなくなります。
・ウイルスのヒト細胞への侵入を防ぎます。
項目:新型コロナワクチンの効果と対象者について
- ファイザーおよびモデルナよりオミクロン株対応ワクチン(2価ワクチン)が2022年9月下旬から使用可能となります。
- オミクロン株に対して、従来のワクチンと比較して高い発症予防効果並びに重症化予防効果が示されています。
- 副作用に関しては従来のワクチンと大きな違いはないと現時点ではいわれています。
- 対象者は、従来ワクチンの3回目および4回目接種の対象者が、そのまま2価ワクチンの対象者となります。
項目:新型コロナワクチンの対象者一覧
※5歳未満は今のところ接種対象外
接種回数年齢 | 1,2回目 | 3回目 | 4回目 |
---|---|---|---|
5~11歳 | 接種推奨 | 接種対象外 | |
12歳~59歳 | 努力義務 (法的拘束力はないが接種に努める義務あり) | 18~59歳の 基礎疾患のある方 | |
60歳以上 |
項目:4回目接種の対象者について
3回目接種から5ヶ月以上が経過した下記の方が対象です。
- 60歳以上の方
- 18歳以上60歳未満で、基礎疾患を有する方(右参照)や重症化リスクが高いと医師が認める方
ご自分が対象となるか分からない方はご相談下さい
当クリニックも新型コロナワクチン接種施設です。
2022年9月27日よりオミクロン株対応ワクチン(2価ワクチン)の接種を開始します。
ご質問がありましたら、直接またはお電話でお尋ねください。(052-325-4100)
【ひらファミリークリニックからのご案内】
・新型コロナウイルス感染症は未だに蔓延しており、手洗い・手指消毒・マスクの着用など基本的な感染予防対策が重要です。
・新型コロナワクチンは有効ですので、対象の方は接種をお勧めいたします。当クリニックでも2ワクチンが接種可能となります。
・重症化リスクのある軽症~中等症Ⅰのコロナウイルス感染症の方には、重症化を予防できる治療薬があります。
→ 当院で使用可能な点滴・内服治療薬があります。
・大人の方だけでなく、お子さんの急な発熱や風邪症状など新型コロナ感染症が疑われる際はご連絡ください。
15分で結果が分かる院内迅速抗原検査や、翌日午前中には結果が分かる、PCR検査を行うことができます。
・濃厚接触者で隔離対象となっている方や、新型コロナウイルス感染症で自宅療養中に状態が変化して受診希望の方も、診察・検査いたしますのでご連絡ください。
※当クリニックは愛知県指定の「診療・検査医療機関」です。参考文献:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第7.2版 厚生労働省